医療安全の確保このページを印刷

当院では良質な医療を提供するため、安全の確保にも組織的に取り組んでいます。

Ⅰ.医療の質・安全管理の指針(第7版改訂について)

2008年4月に医療安全管理指針、医療安全管理マニュアルを改訂して第6版発行から、4年が過ぎました。この間、病院を上げて医療安全管理に取り組んできましたが、この道の尽きることはありません。
このたび、4年間に取り組んだこと、及び、新しい取り組みのための医療の質・安全管理の指針として第7版を作成しました。
患者さんは良質の医療を求め、医療者はそれを提供したいと思っています。両者の思いは同じです。
しかし、医療は不確実なものであり、思うに任せないのも事実です。患者さんは、医療に完全を求めており期待は変わりません。良好な医療を提供し満足してもらうことが医療の目標であれば、即ち医療者と患者の共同作業ということになります。医療者は自分達ができることを誠実に行なうことと、質の高い医療を提供することが最終目的です。質を高める要素には安全性、適正性、公正性、患者中心性、効率性、適時性が含まれます。すなわち安全を確保することは医療の質を向上させることです。そのため、質・安全管理を総合的に行うことを目的にしました。一方、患者さんには限られた医療資源でできること、現在の医療レベルでできることの限界を知って頂くことも大切なことだと考えています。安全の確保と同時にさらなる質の向上を目指すために、マニュアルの改訂を行いました。

Ⅱ.安全への取り組み
自動体外式除細動器(AED)を院内に備え、突然の心室細動に対応します。

厚生労働省が一般市民(非医療従事者)の使用を認めた「自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)」を院内に備え、外来などでの突然の心室細動に対応いたします。

1分1秒の救世主 ~新しい除細動器 AED~

本院の正面玄関から入って右側の医療連携部入口の壁、放射線受付脇の柱やリハビリテーション部の入口などに消火栓のような白い箱が取り付けられています。中には赤いケースが見え、壁には赤いハートマークとAEDと書かれたパネルが取り付けられています。これが新しい除細動器「自動体外式除細動器(automated external defibrillator; AED)」です。AEDは心電図のリズム解析をおこなうシステムと通電(電気除細動)を音声で指示するシステムが合体した医療機器です。心臓に電気ショックを与えることで、致命的な不整脈である「心室細動」を正常な心筋活動に戻すことができます。心室細動というのはいろいろな原因で心臓のリズムが乱れ心臓から血液が送り出せなくなるもので、ときには何の症状もなく突然起こることもあります。日本では心臓に原因がある突然死(発病から1時間以内)は、年間4万人前後と推定され(多いものでは7万人という見積りもあります)、そのうちの7割が心室細動、残り3割は脈が遅くなる除脈性不整脈だそうです。心室細動であればすぐに除細動器による治療を行えば不整脈を正常に戻し、命を救うことが可能です。
この除細動という処置は一分一秒を争うものですが、日本では救急車の出動した心臓停止者のうち無事回復できたケースはわずか3%に過ぎないとされていました。一方、アメリカでの心臓突然死は年間35万人といわれています。しかしアメリカでは航空機内はもちろん、空港、駅、学校など人が集まる場所にAEDを設置し、その使用を医師以外の一般人にも認め、救命効果を上げています。これは、2000年に改訂された米国心臓協会(AHA)の心肺蘇生法ガイドラインに従うものですが、このガイドラインの中ではAEDの一般人プログラムの普及が最重要目標とされています。
日本でも平成16年7月から一般市民(非医療従事者)の使用が認められました。当院では、病棟の各フロアーにほぼ1台ずつと、外来患者さんが出入りする正面玄関や透析室などにAEDを配置しました。また、「心肺蘇生実習ワーキンググループ」を立ち上げ、病院の全職員を対象にAED操作法のトレーニングを実施し、一次救命処置の普及を目指すと共に院内での心臓停止事故の救命率を向上するよう励んでおります。

2008年3月
臨床工学部 CE管理科 白井 康之

Ⅲ.医療の質・安全確保のための取り組み
シミュレーション・ラボセンターを設立しました。

このほど、国家公務員共済組合連合会共済医学会は、所属する病院の共同事業としてシミュレーション・ラボセンターを分院に設立し、2006年4月1日より活動を開始しました。常駐する指導員のいる同種の施設は、大学以外では初めてのものです。
ここでは、新人の医師、看護師、その他のコメディカルスタッフに対する標準化された初歩的医療技術の、シミュレーター(模型)による多彩な研修を中心に、すべての医療従事者へのあらゆる危険性の回避のための救命蘇生法研修や、新しい技術の研修等を行います。また、患者さん、ご家族、一般の方々、学生さんなど広く多くの方を対象としたシミュレーターによる一次救急研修(心臓マッサージ・AEDの使用法)も実施します。さらに、教育指導者、リスクマネージャー等の研修を行い、医療の安全のために尽くしてまいります。
連合会病院の研修医、医師、看護師、コメディカルスタッフはもとより、連合会病院以外の医療従事者、近隣の先生、患者さんやそのご家族、学生さん、住民の方など、様々な方のお役に立ちたいと考えております。当方にとって新しい分野ではありますが、皆様のご理解とご協力により、質の高い安全な医療の提供のためにスタッフ一同努力してまいりますので、宜しくお願い致します。

Ⅳ. 当院の院内感染防止対策に関する取り組み

基本的考え方

病院感染を予防することにより、質の高い医療を提供することができます。
虎の門病院では、医師、看護師をはじめ各職種、部署が協力して病院感染、職業感染の防止に努めるための組織・体制を構築しています。
また、個々の職員が病院感染防止のための努力を誠実に遂行します。

委員会・組織に関する基本的事項

当院の感染対策組織は感染対策委員会、感染対策チーム(ICT)、感染対策室、感染対策担当者からなっており、それぞれの役割や活動の詳細は院内感染対策マニュアル「院内感染対策組織要綱」に定めています。

  1. 感染対策委員会は、分院長、診療科部長、総看護師長、事務長、その他感染管理を担当する医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職員等で構成し、当院の感染対策全般について審議・決定します。その下部組織としてICTを置きます。
  2. ICTは医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務職員各若干名、およびその他必要と認められた職員で構成されており、院内感染防止のための対策を立案し、実施する中心として活動します。
  3. 感染対策室には専従の院内感染管理者を置き、院内感染管理者はICTの活動に従事するとともに、院内感染対策に関する相談・報告の窓口となります。
  4. 感染対策担当者(リンクドクター・リンクナース・リンクスタッフ)は、各部署に配置され、ICTと連携し部署の感染対策実践の中心となって活動します。

職員研修に関する基本方針

ICTは感染対策担当者会議を通じて、職員の感染対策に関する知識や資質の向上を図るとともに、全職員を対象にした感染対策の研修・教育活動を行います。全職員を対象とした研修は、年2回以上実施しており、その他、新入職員を対象とした研修、職種毎の研修等を計画に基づいて行います。

感染症の早期発見、伝達、情報共有

有効な院内感染対策を行うためには、対象となる疾患や病態を早期に診断・発見し、情報を共有することが重要です。そのため、耐性菌や感染対策対象菌の分離状況、血液培養からの菌の分離状況などの疫学的情報を定期的に収集し、ICTで解析します。その結果は、感染対策委員会、分院診療担当責任者会議等を通じて院内に周知します。

院内感染発生時の対応に関する基本方針

職員は、アウトブレイクを疑う情報が得られた場合や院内感染対策を要する感染症が発見された場合は直ちにICTに報告します。ICTは速やかに状況を確認、分析し必要な対策を講じます。

感染症発生状況の報告に関する基本方針

院内感染対策マニュアル各項の規定に従って、院内および院外への報告・届け出を適切に行います。感染症法に基づく届け出を要する疾患を診断した場合は別項の規定に従い届け出を行います。

本指針の閲覧に関する基本方針

本指針は院内感染対策マニュアルの一部として職員に周知しているほか、病院ホームページ及び病院内への掲示により一般公開します。

マニュアル類

当院では良質な医療を提供するため、安全の確保にも組織的に取り組んでいます。その1つとしてマニュアルを作製し、事故防止の原則の徹底化をはかっています。以下にマニュアル類の一部を示します。

(1)医師のための入院診療基本指針(289KB)

(2)指示伝達マニュアル(1.1MB)

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