内診

 

内診とは何ですか?  

子宮や卵巣、腟や外陰部(いわゆる「おしも」)の様子などをみるために行う診察のひとつです。腟の中に指を入れて、子宮や卵巣の大きさや硬さなどをみたり、腟鏡という腟の中をみる器具を腟に挿入して、腟や子宮の入口の状態をみます。

内診1

内診2

腟鏡

 

内診は痛いのですか? 

腟の中に腟鏡や指を入れるときに、少しいやな感じがすることがあります。緊張しすぎると痛く感じるものなので、ゆっくりと息をはいて力をぬきましょう。もし、痛いようでしたら、遠慮せずに痛いと言ってください。

 

産婦人科を受診したら必ず内診をするのですか? 

必ず内診をするわけではありません。どんな症状や病気で産婦人科を受診されたかによって違い、必要があれば内診を行います。しかし、実際には、子宮や卵巣、腟の状態は、内診でないとわからないことが多いので、症状や病気の性格上、内診をすることは多いと思います。とはいえ、絶対にしたくないという方まで、内診を強要することはありませんので、そのような場合は医師に話してみてはいかがでしょうか。

 


超音波検査

 

超音波検査とは何ですか?

超音波は物にぶつかると反射する性質をもっています。反射の程度は骨、筋肉、血液、尿などにより異なります。超音波検査はこの性質を利用して、体内の組織を画像化し観察します。
産婦人科で行う超音波検査は、経腟超音波検査と経腹超音波検査に分けられます。
経腟超音波検査は、腟の中に細い筒状の器具(経腟プロ−ベ)をいれて、子宮や卵巣およびその周囲の状態をみます。
経腹超音波検査は、お腹の上から経腹プロ−ベという器具をあてて、広い範囲を観察することができます。
超音波検査はレントゲン検査とは異なり、放射線は出しません。検査に使う超音波では、胎児や人体に影響はないと考えられています。

 

経腟超音波検査と経腹超音波検査の違いは何ですか?

経腟超音波検査は薄い腟壁のすぐ裏側(向こう側)にある子宮や卵巣などを観察します。経腹超音波検査とくらべると、子宮や卵巣の細かな観察が可能ですが、見える範囲は狭く、腟から遠くなるほど観察しにくくなります。検査前に排尿し膀胱を空にしておいた方が検査をしやすくなります。
経腹超音波検査では、お腹の上から自由な場所を選んで検査を行うことができ、お腹の中全体を観察できます。しかし、経腹プロ−ベと子宮や卵巣の間に腹壁の脂肪や筋肉があるため、経腟超音波検査とくらべると細かい部分の観察には不適当です。子宮や卵巣を調べる場合はなるべく膀胱に尿をためた方が検査しやすくなります。ただし、妊婦さんが経腹超音波検査をうける場合には必要ありません。

 

どのようなときに行いますか?

主に以下のようなときに、超音波検査を行います。
  

1)

経腟超音波検査
妊娠12〜14週頃までの赤ちゃんの状態や胎嚢をみるとき
切迫早産の症状があるとき
前置胎盤が疑われるとき
比較的小さな子宮筋腫卵巣嚢腫をみるとき
骨盤内腫瘍や腹水の有無をみるとき
子宮内膜の状態をみるとき(不妊症や子宮内膜ポリープ、子宮体がんなど)
卵巣内の卵胞の大きさや数をみるとき(不妊症や月経不順など)

2)

経腹超音波検査
妊娠12〜14週以降の赤ちゃんの発育や羊水量、胎盤の位置をみるとき
比較的大きな子宮筋腫や卵巣嚢腫をみるとき
腎臓や肝臓をみるとき

 


CT(Computed Tomography、コンピューター断層撮影法)

 

CT検査とは何ですか?
 

人体の各断面を回転走査して得られたX線吸収値を、コンピューターを用いてデジタル処理して断層画像化したものです。普通のX線写真ではわからない、体の中の臓器を断面図としてみることができます。

 

CT検査はどうやってするのですか?
 

X線吸収値をコンピューターが画像処理するのに5分〜15分位かかります。その間はCT検査の機械の中で横になります。画像をよりはっきりとさせるために、造影剤を使うこともあります。

 

CT検査はどんなときにするのですか?
 

産婦人科では、超音波検査や普通のX線写真で子宮や卵巣などの腫瘍が疑われるときに、さらによく調べるために行います。
また、急性腹症(原因不明の激しい腹痛)のときにも、緊急検査として用いられます。
腫瘍の広がりや出血の有無などの診断に優れているので、悪性疾患の経過をみるために用いられることもあります。

 

CT検査に副作用はありますか?
 

X線検査のひとつですから、普通のレントゲン検査と同じようにできるだけ検査回数を減らした方がよいでしょう。しかし、普通に検査を行っている範囲内では副作用がでることはありません。
X線を浴びるので妊娠中の検査は控えます。また、喘息や造影剤のアレルギーのある方は造影剤を使った検査はできません。

 


MRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴映像法)

 

MRIとは何ですか?
 

ある種の原子核を定磁場中に置き、一定の周波数の電磁波エネルギーを与えると共鳴現象をおこします。このとき放出されるエネルギーを信号として読みとり、コンピューターで画像化する検査です。
水分や脂肪を多く含む軟部組織や、体の奥の方の臓器などの描出に優れています。ただし骨や石灰化などの固い組織の描出にはX線の方が適しています。
卵巣嚢腫子宮筋腫などの診断に大変有用な検査です。

 

どのようにして検査するのですか?
 

筒状の検査機械のなかに15分間位、動かずに横になっていただきます。画像をよりはっきりさせるために造影剤を注射することもあります。

 

どんなときにMRI検査をするのですか?
 

産婦人科では、超音波検査で子宮や卵巣に腫瘍などがあったときや子宮の奇形などが疑われるときに、さらに詳しく調べるために行います。妊娠中に胎児や胎盤に異常があるときに検査することもあります。

 

副作用はありますか?
 

現在まで明らかな副作用は認められていません。X線被曝がないため、必要に応じて妊娠中も行うことができますが、未知の影響も考えられるため妊娠16週を過ぎてから検査をします。
強力な磁場の中で検査しますので、金属のついた下着などをつけたまま検査することはできません。また、ペースメーカーを埋め込んでいる方などもMRIはうけられません。
喘息や造影剤のアレルギーのある方、妊娠中の方などは造影剤を使った検査は控えます。

 


コルポスコピー

 

コルポスコピーとは何ですか?
 

子宮の入り口(子宮腟部)や腟の壁を拡大鏡で観察し、病変部位を識別する検査です。ふつうは、観察の最後に、組織診検査をするための小さな組織片を数個採取(生検)します。
外来で比較的短時間でできる検査です。

 

どんな場合に行いますか?
 

1) 子宮がん検診(細胞診検査を行います)の結果で、子宮頚部異形成子宮頚がんがある可能性がある場合に行います。
2) 異形成の経過観察やがんの再発を調べる検査としても行われます。
3) 子宮がん検診と同時に(結果が出る前に)、念のため、観察するだけのコルポスコピーを行う場合もあります。

 

実際の検査方法は?  

内診台で行います。子宮腟部をコルポスコープという拡大鏡で観察します。観察の最後に、子宮腟部の最も病変が強うそうな部分などの生検を行います。この組織片を顕微鏡で調べ(組織診検査)、ほんとうに異形成やがんがあるのか、あればどの程度か、などを診断します。もっとくわしく調べるために、後日さらに、子宮頚部円錐切除術が必要になる場合もあります。

 

痛い検査ですか? 

観察するだけでは痛みはありません。生検のときに軽い痛みがあります。

 

出血がありますか?  

生検の傷口から出血があります。検査が終わったときに、出血を止めるために医療用のタンポンを入れ、傷口を圧迫しておきます。指示された時間に忘れないでタンポンをとってください。半日くらいで止血しますが、血の混ざったおりものは数日程度続きます。
まれに、タンポンでは止血しなかったり、一旦止血しても数日後にたくさんの出血があることがあります。すぐに担当医に相談しましょう。

 


子宮鏡検査

 

子宮鏡検査とは?  

子宮の内側(子宮内腔)を、子宮鏡(直径3〜4mmの細いファイバースコープ)で観察する検査です。いわば、胃カメラのミニチュア版といってもよいでしょう。
子宮の中に生理的食塩水(ブドウ糖液や炭酸ガスを使うこともあります)を注入し子宮内腔を少し膨らませて、子宮内腔の形やできものがないかどうかを観察します。
子宮内腔の状態を知る検査としては、子宮鏡検査以外に、超音波検査子宮卵管造影法などがあります。子宮鏡検査は、直接見える点では優れていますが、ファイバースコープが極めて細いために十分に観察できないことがあります。
また、子宮の入り口が狭い場合などは、子宮鏡が挿入できず検査できない場合があります。

 

どんな場合に行うのですか?  

次のような場合に行います。
1) 粘膜下子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどを疑う場合。具体的には、過多月経不正出血習慣流産、不妊症などの場合です。
2) 子宮奇形を疑う場合。具体的には、習慣流産や不妊症などの場合です。
3) 子宮体がんの場合。がんの広がりや形態を観察します。
4) 子宮内の異物や癒着が疑われる場合
5) 流産やお産後に胎盤などが残っていることなどが疑われる場合

 

副作用はありますか?  

次のような副作用がおこることがあります。
1) 痛み
通常は殆ど痛みはなく、麻酔などは不要です。しかし、子宮の入り口が細かったり、屈曲している場合は多少の痛みを伴うことがあります。
2) 出血
検査のあと出血が数日続くことがありますが、自然にとまります。
3) 感染
極めてまれに細菌感染がおこることがあります。細菌感染防止のために、抗生物質を数日間服用する場合もあります。検査当日は性交渉は避けましょう。