肝硬変とは?

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  • 肝硬変とは

    肝硬変とは、「肝臓全体にわたって」「再生結節と呼ばれる球状の肝細胞集団が形成され」「その周囲に隔壁と呼ばれる線維化が取り巻いている」という病理学的特徴で定義づけられています。すなわち肝硬変とは、肝機能が低下しているという「働き」で決められているわけでもなく、また、腹水や食道静脈瘤破裂がおこるといった臨床症状で規定されているものでもありません。ですから、無症状の肝硬変の患者さんも多いというわけです。
     身体症状や血液検査の結果は肝硬変であろうと推定する大きな根拠にはなりますが、最終的な肝硬変の診断は、腹腔鏡または肝生検によって行うのが基本です。もちろん、腹部超音波検査(エコー検査)で明らかな肝表面の凹凸があって、腹水が貯留しているような場合にはこれら負担のかかる検査は必要ありません。

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    肝硬変の患者数

    わが国にはおよそ25万人の肝硬変患者が存在するといわれています。

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    肝硬変の発症の仕組み

    肝炎ウイルスや飲酒などにより、肝細胞破壊と不規則な再生を繰り返すことで、肝硬変に進行します。

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    肝硬変の原因

    わが国での肝硬変の原因は、B型肝炎ウイルスが約20%、C型肝炎ウイルスが約65%、アルコール性約10%、その他約5%です。わが国の肝硬変の大部分をウイルス性(B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルス)が85%を占めています。その他の特殊型の肝硬変には、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎(ルポイド肝炎)、ヘモクロマトーシスなどがあります。

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    肝硬変の分類

    肝硬変による症状が顕性化しているかどうかで、「代償期肝硬変」(無症状)、「非代償期肝硬変」(腹水または脳症がある)に分けられます。「浮腫」の存在は他の病態でもよく見られるので、浮腫のみでは非代償期としないことが一般的です。「食道静脈瘤の存在」や「食道静脈瘤の破裂」も、代償期・非代償期の分類に考慮しないことが多くあります。 代償期肝硬変も含めて、肝硬変の重症度を表現する最も良く知られた分類には、Child分類とその改変であるChild-Pugh分類があります。非代償期(有症状)となった肝硬変のうち、肝性脳症の程度分類は劇症肝炎について作成された昏睡度分類が使用されることも多くあります。

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    肝硬変の症状

    肝硬変の前半は、慢性肝炎に引き続く時期で、無症状です(代償期肝硬変)。身体的な所見としてこの時期には、手掌紅斑やくも状血管腫などがでてきます。肝硬変に特徴的とは言えませんが、上下肢の筋肉の「つり」(こむらがえり)がみられることもあります。
    肝硬変が後半になると、腹水や肝性脳症など、非代償期としての症状が現れます。腹水は、血液中のアルブミンが低いこと、門脈圧が高いことの両者が原因となって起こり、この時期には胸水(右に多い)、下肢の浮腫なども伴いやすくなります。
    肝性脳症(肝性昏睡)は、アンモニアをはじめとする体内での異化産物(毒素)の血液中濃度が増加したり、体内アミノ酸のアンバランスなどが原因でおこる、種々の段階の意識障害です。
    この時期には、女性化乳房、腹壁静脈怒張、臍ヘルニア、筋肉のやせなどの身体所見が起こることがあります。

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    肝硬変の診断

    肝硬変の診断は、1)血液検査、2)画像診断・病理診断で行い、肝硬変であることが判明すれば、3)肝硬変の病態・合併症診断も行います。

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    肝硬変の治療

    肝硬変の治療としては、1)肝病変そのものの進行予防の治療、2)肝硬変の合併症(腹水・食道静脈瘤・脳症)の治療に分けられる。

    慢性肝炎から連続した病変としての肝硬変治療法として、グリチルリチン製剤(強力ネオミノファーゲンCTM静注、グリチロンTM内服、小柴胡湯内服)やウルソデオキシコール酸製剤(ウルソTM)などがあり、肝庇護作用を介して、肝病変進行を予防します。

    腹水の治療としては
    @摂取水分制限、塩分制限
    A利尿剤
    B蛋白製剤輸注
    C腹水穿刺による排除

    などがあります。高度の腹水を急速に減少させると肝性脳症を誘発する危険があるので、利尿剤・輸液の方法が重要となります。

    食道・胃静脈瘤はその程度を十分に把握して、必要であれば、
    @外科的治療(食道離断術)
    A食道静脈瘤硬化療法(endoscopic injection sclerotherapy, EIS)
    B食道静脈瘤結紮療法(endoscopic variceal ligation, EVL)
    C経頸静脈的門脈肝静脈シャント形成術(transjugular intrahepatic portosystemic shunt, TIPS)
    Dバルーン下逆行性経静脈的胃静脈瘤塞栓術(balloon occluded retrograde transvenous obliteration, B-RTO)

    などがあります。

    最近では、外科的な食道静脈瘤治療は行われることが少なく、通常は内視鏡的なEISまたはEVLが行われることが多いです。EISはX線透視下に、造影剤を含む硬化剤(エタノールアミン、ポリドカノールなど)を内視鏡下に直接静脈瘤内に注入するもので、やや高度の技術が必要となります。EVLは造影剤・X線透視を用いず内視鏡のみで行い、食道静脈瘤をO-ringと呼ばれる輪ゴムでしばる治療です。難治性の食道静脈瘤にはTIPSが行われることもありますが、シャントの閉塞に伴う食道静脈瘤の再発や肝性脳症の出現などの問題があります。内視鏡的治療の困難な噴門部胃静脈瘤に対しては、B-RTOが行われます。

    肝性脳症の治療は、
    @絶食
    A輸液
    B浣腸
    C特殊アミノ酸製剤点滴・内服
    Dラクツロース内服
    などである。脳症に陥った場合には、できる限り早く覚醒させるために、水分の輸液をやや多めに行い(hydration)、ときには浮腫・腹水を増加させることも必要となります。高度肝硬変に至った患者には、腹水と肝性脳症が両立しないことも理解する必要があります。

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