認知症科

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メッセージ

認知症は大脳の障害部位によりさまざまな症状が出現し、日常生活を脅かします。病気の背景には「老化」があり、高血圧・糖尿病などの危険因子があります。また、さまざまな精神症状により介護家族の負担は大きく、患者さんとの関係が難しくなることもあります。

認知症は社会、医療、介護、福祉にわたる壮大なテーマです。これら広範な事象を整理し、医療でもう一度とらえなおそうと新しい診療科を立ち上げ、『認知症科』と名付けました。

『認知症科』では以下の3つの観点からものごとを考えます。

  • 老年医学の観点では、「老化」をベースに全身状態を考え、認知症を悪化させる危険因子を管理し、社会における患者さんの日常生活を重視します。
  • 神経内科の観点では、大脳のどこの障害により症状が起きたのかを神経学的所見、高次機能検査、画像診断で評価し加療してゆきます。
  • 精神科的観点では患者さんの精神症状の評価と管理を行い、家族と患者さんの関係も考慮します。

このように認知症を病気の観点だけではなく、患者さんの生活や人生そのものを総括的に捉えて心身機能を評価し、どのような医療が必要なのかを考えてゆきます。

尚、当科は高齢者総合診療部と共同理念で運営されております。詳細は、高齢者総合診療部の欄をご覧ください。

扱う疾患

治療可能な認知症を起こす病気として甲状腺機能低下症、肝性脳症、ビタミンB1/B12欠乏症、葉酸欠乏症, 梅毒、AIDS脳症、髄膜炎、正常圧水頭症、うつ病、てんかんなどがあります。まず、これらがあるかどうかを検査し、あればその治療を行います。また同時に、大脳MRIで大脳萎縮の部位や脳血管障害の有無、正常圧水頭症の有無を拝見し、脳血流シンチで脳血流の低下部位を探します。そして臨床症状とあわせてアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症などと診断がつきます。そのほか、認知症の類縁疾患であるパーキンソン病も拝見いたします。

当科の特徴

当科は認知症の関わるすべてのことを行うことを目指して2015年7月に発足した新しい診療科です。認知症の診断といっても高次脳機能障害や短期記憶だけをみるのではなく、高血圧や糖尿病、サルコペニアやフレイルなど認知症を悪化させる要因や老化に関わることも同時に拝見します。さらに神経学的所見をとり、麻痺があるのかパーキンソン症状があるかどうかを検討し、腱反射や歩行の状態も評価します。パーキンソン症状があれば、MIBG心筋シンチやダットスキャンなどの最新の画像診断を行いレビー小体型認知症との関与を考えます。さらに歩行障害があれば脳血管障害の有無や転倒しやすい内服薬の確認をも行います。このように全身を総合的に拝見しより適切な診断を行います。
また、若年性アルツハイマー病や認知症の超早期診断として、ウェクスラーメモリースケールなどのより詳細な検査や、髄液のアミロイドβ42蛋白やリン酸化タウ蛋白の測定も検討しますのでご相談ください。
確実に診断しましたら治療方針を決め、かかりつけ医を紹介し認知症の患者さんを地域で支えられるよう努力します。

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